2006年02月01日

あなたの会社に合うERPシステムは?

オープンソースを含め、どのERPベンダーのどの製品にアクセスするかという「ソフトの選定」というのは結構頭の痛い問題である。全ての製品をチェックするわけにもいかないし、第一どんな製品があるのかもわからない。どの製品がどこに強みがあるのかもわからない。(日本語でのサポートがある製品となると更に選択肢は少なくなるので、それはそれでラッキーかも。選び易いという点でですが。)

アナリストレポートなんかも参考になりますが、こういうサービスもあるようで(Software Research Tools, 2005)。
簡単なサーベイに答えると、自分の会社に合う、またはVARや外部コンサルタントであれば、納入先クライアントに合うパッケージをリストアップして、強み弱みを表にしてくれる。2006年3月末まで無料の様だが、結果のリストは日本人としてはあまり参考にならないかも知れない。が、世の中にこんなにERPソフトがあるのか!を知る参考にはなります。

といっても私の場合、超零細企業のクライアントという設定でサーベイに答えて出た結果が

mySAP Business Suite

だったのでマウスをモニターに投げつけたくなっちゃいました(笑)

しかしトップページにあるベンダーリストは圧巻ですぞ。「Get Free ERP Comparison Reports」ボタンからサーベイスタート。最後に個人情報の入力を求められるのだが、それに答えるとパスワードが与えられて、ERP Evaluation Centerへとアクセス誘導。そこからは、有料のサービスがちらちら。

しかし日本でもこのサービスは必須でしょうなー。これからどんどんオープンソースが日本語化されて来て、従来の大手ベンダーの中小企業向けパッケージもどんどん提供の形態が変わってくるだろうし(ソフトとコンサルタント抱き合わせ販売みたいなのではなく、商品単体でポンと)、VARやコンサルタント会社、トレーニング会社、教育教材などもkakaku.com並に比較検討されて横一列並び。クライアントによるレビュー、レーティングも必須でしょう。

ゴールドラッシュの時代、結局儲けていたのは作業着作っていた某社だったりと、本体そのものよりも周辺のニーズを敏感に察知した人が生き残るわけです。ニッチを狙え。人が向いている方向だけ見ていたら後手にしか回れないってコトです。

Reference:

Software Research Tools, 2005, ERP Software Comparison Reports, [Online. Internet.] Available:
http://erp.softwareresearchtools.com/erp/index.asp, Accessed 1 February, 2006

Posted by akemi at 21:26 | Comments (0)

2005年07月28日

SAP@HOME -- coming soon!!

現在翻訳中のデジタル書籍、SAP@HOMEですが、9月初旬ダウンロード販売開始予定です!

sapathome.bmp

オーストラリアのビクトリア大学の Information Systems 修士課程在学中で Graduate Diploma in ERPS ホルダーでもある著者が「お金をかけずに自宅でSAPを勉強するには?」を追求した一冊です!

今回のリリースは、その入門編とも言うべき「インストール編」。Linux Fedora Core 3上にSAPのテスト環境を構築していく手順を、スクリーンショットとともに丁寧に解説していきます。書籍とリンクしたサポートページも準備中。ソフトのアップデート情報その他、本だけでは伝え切れなかったところなども、どんどんと情報提供していきます。

オリジナル版はこちら(韓国語版)


著者は、9月にビクトリア大学にてこの書籍にリンクしたセミナーを開催予定です(英語)。

ご期待下さい!

Posted by akemi at 21:33 | Comments (0) | TrackBack

2005年01月11日

ERPの市場概況

手元に2003年4月発行の米METAグループによるアナリストレポートがある。

大企業向けERP市場(これをTier I ERPと呼ぶ。中小企業向けのものは、Tier II ERPと言われる)の2004年から2005年への市況予測であるが、中々興味深いものがある。

このレポートの中で、業界リーダーとして、SAP、Oracle、Peoplesoft、それを追うチャレンジャーとしてJD EdwardsとLawsonを挙げて、主にこの5社について、あらゆる側面からの評価をしている。ここで、その内容を詳細に転載することはできないが、そのレポート以降の1年半の間に、この業界で何が起こったのか。今回はその話をしてみようと思う。

2005年1月現在、この業界は二つの大企業の一騎打ち的様相を呈して来ている。

業界最大手のSAPは、1972年に標準アプリケーションソフトを開発する会社として、元IBMの社員であった4人によって、ドイツで設立された(Hernandez, 2000, p.2)。

業界二位としてあげられるのが、データベースの最大手として知られるオラクル(Oracle)であるが、JDエドワーズ(JD Edwards)はピープルソフト(Peoplesoft)に合併され(PeopleSoft, 2004)、昨年度末には、長い間の攻防の末、そのピープルソフトはオラクルに買収されてしまったのだ(LaMonica, 2004)。

また、SAPの方も、何度もマイクロソフトによって買収を持ちかけられていたが、現在のところ、マイクロソフトとは今後一切交渉しないからねーっ、という記事を半年ほど前に見た覚えがある(出典が不明瞭でごめんなさい)。

とにかく、この業界に関わらず、産業界はどこも栄枯盛衰が激しいのだが、この二大巨頭体制が今後どの様に変化していくのか、変更があり次第、またリポートしてみたいと思う。

参考文献

Hernandez , Jose Antonio. 2000, SAP R/3 HANDBOOK Second Edition, McGraw-Hill, USA

Peoplesoft. 2004, J.D. Edwards Now Merged with PeopleSoft, [Online. Internet.] Available:
http://www.peoplesoft.com/corp/en/jde_site_redirect.jsp, Accessed 10 January, 2005

Paul R, La Monica. 2004, Finally, Oracle to buy PeopleSoft, [Online. Internet.] Available:
http://money.cnn.com/2004/12/13/technology/oracle_peoplesoft/, Accessed 8 January, 2005


Posted by akemi at 19:04 | Comments (0) | TrackBack

2005年01月05日

NECESSARY BUT NOT SUFFICIENT

必要だが十分ではない ― ERPシステムそれ自身は

E. GoldrattのERPシステムを題材にした小説が手元にある。(邦題は「チェンジ・ザ・ルール」。オリジナルのタイトル以上に、その小説の趣旨を物語っている!) 前回の記事で述べた様に、ERPシステムとは、単なるパッケージソフトで、導入した途端に企業はそのメリットを体感するものなのだ、というのは理想論であり暴論である。この小説は、新しいシステム(テクノロジー)を導入する本来の目的とは何かを、真正面から捉える。当然の様に膨大なIT投資をする企業は、きちんとその投資対効果があったのかを検証してみるべきだ。

システムを導入するだけではだめだ。既存のプロセスを新しいシステムで置き換えたところで、導入費が嵩むだけで何も変わらない。ERPシステムが真価を発揮するのは、全社的に統合されたシステムを利用して、今までの冗長な業務プロセスを、全体最適化されたプロセスへと変革するという場面においてだ(ビジネス・プロセス・エンジニアリング)。そう、従来のルールを変えるのだ!―「チェンジ・ザ・ルール!」

そして、ERPシステム導入の失敗における大きな要因は、テクノロジーではないと言われている。いわゆる人間の問題(People Issues)なのである。最適化されたプロセス群の中では、不必要な業務、不必要な部門、そして不必要な人材が顕在化してしまう。今まで慣れ親しんだ業務プロセスを一から変えろと言われて、素直に喜べる人がどれだけいるだろうか。単なるITシステムの導入だと思っていると、それは必ず失敗するだろう。その本来の目的―“飛躍的な利益の向上、そして企業の生き残り“―において。そして無視できない人間の「変化への抵抗(resistance to change)」を、一体誰がサポートするというのか(チェンジ・マネージメント)。

ERPシステムを語るとき、技術以外の側面にこそ、その成功の鍵があるのかもしれない。

Posted by akemi at 19:04 | Comments (0) | TrackBack

2005年01月04日

ERPシステムとは

ERPSは、Enterprise Resource Planning Systemsの略で、その目的は、言うなれば、全社の活動を一つの統合されたシステムで管理すること、と捉えておくとわかりやすいと思う。

つまり、従来のシステムでは、会計部門では会計ソフト、人事部では人事専用のソフトを独自に持っていて、それぞれ別々に管理していたため、例えばデータに冗長性があったり(顧客などの情報を二重、三重に管理するようなこともあった)、整合性のないものがあったりもしたが、その全社のシステムを、一つのデータベースで管理しよう、というのが、ERPシステムの技術的側面における目的である。

しかし、ERPシステムの真髄はそこではない。そのシステムというのは、戦略的経営(その業界において競争力のある企業として生き残っていくための経営)における、無駄のない業務プロセスを実現するため、そして今後の経営における意思決定を促す情報を得るために使われているのである。そして、ERPシステムは、それ自身の中に、既存の産業における考え得る業務プロセスの多くを、最適な手順で組み込んでいる。それを利用することで、その会社における従来の業務プロセスが、いかに意味のない、多くの無駄な作業を含んでいたかに気づき、改善を促していくのである。つまり、ベストプラクティクス(一流企業の経営ノウハウ)を自社に取り入れることができるために、国際競争力のある企業へと変革していくことができる。これが、経営において、システムが中心的ツールであると前述した所以である。ここまでがERPシステムの理想とするところの話である。

ところが、じゃ、そのERPシステムとやらを導入すればいいじゃないか。単なるパッケージソフトだろ、ということで、安易に導入を決定すると大変なことになる。全社的システム故に、ソフトそれ自身や導入にかかる費用も相当なものだ。時間も要する。失敗したら会社経営が傾くほどにダメージが大きい。現に、数々の企業が導入に失敗して、結果的に、ERPシステムは使えなかったということも多々ある。それは何故か。何故失敗してしまうのだろう。

Posted by akemi at 19:04 | Comments (0) | TrackBack