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2005年08月16日

ERP導入時における5つの「ヒトの問題」

今回はちょっと趣向を変えて、人間の問題に焦点をあててみる。

1999年のDeloitte Consultingのリポートなのでかなり古いのであるが、ここで少し整理がてら紹介しておこう。このレポートはかなり有名で、あちこちで引用されているのであるが、注目すべきはこのリポート内の

Issues and Obstacles: What gets in the way of success?

というERP導入〜Go Liveにおける問題や障害についての分析がなされた部分である。この分析によると、技術的な問題云々よりも人間の問題(People Issues)が大きなウェートを占めている(Deloitte Consulting, 1999)ということがよくわかるのである。で、その分析(カテゴリー分け)をベースにして、オーストラリアのSAPユーザーグループのメンバーに対して実施された調査に関するリポート(Hawking, Stein & Foster, 2004)があるのだが、この分析結果から、大きな5つの「ヒトの問題」を紹介してみると、

1. Lack of Discipline
2. Lack of Change Management
3. Training
4. Misplaced Benefit Ownership
5. Inadequate Internal Staff

ということになる。それぞれにストラテジーも研究されているのだが、この辺りのマネージメントを現場では誰がやっているのだろうか。ERPベンダー側のコンサルタントなのか、それともその会社のプロジェクトマネジャーと言われる人達だろうか。正直言って、こういうこと全てをタイトなスケジュールのIT導入の現場で、本当に出来るのか!(というのは、現場は目前の作業に追われるばかり!!)

ということで、チェンジマネージメントはチェンジマネージメントのプロフェッショナルが、トレーニングはトレーニングのスペシャリストが世の中には居るのだが、それもこれも外部に頼っていては、ERP導入費はかさむ一方。実際の導入時の研究では、チェンジマネージメントに対する予算計上は、ほとんどなされず(ゼロという場合も多い)、実際のプロジェクトではかくも軽視されているのである。しかし現実ではトップレベルの問題なのである。

因みに世界で最もダウンロードされているERP関連のジャーナルは、

Putting the Enterprise into the Enterprise System
By Thomas H. Davenport (2000)

だそうだ(2004年の時点での話であるが)。

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References:

Davenport, Thomas H. 1998, Putting the enterprise into the enterprise system, Harverd Business Review,
July-August, pp.121-131.

Deloitte Consulting. 1999, ERP’s SECOND WAVE; Maximizing the Value of Enterprise
Applications and Processes

Hawking, Paul, Stein, Andrew & Foster, Susan. 2004, Revising ERP systems; Benefit Realisation, the 37th
Hawaii International Conference on System Sciences 2004

Posted by akemi at 00:11 | Comments (0) | TrackBack

2005年08月13日

SugarCRM日本市場へ

オープンソースCRMソフトが本格的に日本市場に食い込んで来ることになった。

こういったビジネス系アプリケーションソフトにオープンソースが使われるということは、非常に意味があると私は思っている。特にCRM(Customer Relationship Management)などの分野においては、現場のビジネスを知っている人間のアイデアが含まれるべきなのだが、このソフトはその成り立ちから言っても、充分にそういったアイデアが盛り込まれているのだと期待が持てる。

ローカライズを早稲田大学のビジネススクールが中心になって進めていくらしい。(そうだよなー、こういうのを実際の産業に繋がった生きた学習というのだ!)日本の大学院も変わりつつあるのかなと思うと少し嬉しい。

日本は特殊なマーケットであるということは、もう私がペーペーのSEだった20年近く前から言われていたことなのだが、時代がボーダレスワールドになった今、私が思うよりももっと速いスピードで(そしてそれはどんどん加速している)、世界のトレンドが日本にもそのまま流れて行く様に見える。

その昔、Bill Gatesが、Business@The Speed Of Thoughtの中で強調した「スピーディーな経営判断」を、最近肌身にしみて感じている。こんな小さなニッチマーケットで細々と、と思ってやっていることにでも、世間の荒波のスピードに驚かされるのである(そしてそれは、驚くだけではなくて、あっという間に自分のやってきたことが反古にされてしまうという恐怖感をも含んでいる)。

「朝令暮改」ってどちらかというとネガティブなコトバだったのだけど、こういう意識でもって、現実のビジネスにはフレキシブルに対応していかないと、自分の下した決断に固執していては、ドンキホーテみたいになっちゃいそうだ、と思う今日この頃である。


Reference:

CareBrains. 2005,
ケアブレインズのオープンソースソリューション,
Online. Internet] Available: http://opensource.e-kensyu.net/content/blogcategory/32/30/,
Accessed 12 August, 2005

Posted by akemi at 10:25 | Comments (8) | TrackBack

2005年08月12日

Open Source ERP – 米市場で健闘中!

今年5月の、eWeek.com, The Channel Insiderからのリポート。アメリカにおけるオープンソースERP(Compiere)がヨーロッパ、ラテンアメリカに出遅れながらも、この18ヶ月で躍進を続けているという話題である。

この5月、Compiereはユーザーからのリクエストを盛り込んだ最新バージョン2.5.2cをリリース(8月現在の最新版は2.5.2e)。現在アメリカには正規パートナーが既に15社あるらしいが、今年度に20〜30社増やす予定だとか。(Moore. 2005) その米国のパートナー企業の一つ、Global Era社(ってすごい名前だなー)の社長の、飛ぶ鳥を落とす勢い的なコメントが印象的。

アジアではシンガポールがダントツのアクティブマーケット(Moore. 2005)(なるほど。私もシンガポール人の友人からこのソフトを知った)らしい。このCompiereのパートナー企業が、SAPやオラクルが苦手とする中小企業向けのニッチマーケットをターゲットにしている、というのも戦略として非常に評価できる。

もちろん、SAPも手をこまねいて見ているわけではなく、飽和状態のTier I(大企業)だけではなく、Tier II(中小企業)に向けてのプロモーションを強化していて、それに伴ってセールスも右肩あがり(ちなみに昨年度、大学の授業中に見たSAPのセールスの伸びを示すグラフでは、他国が伸び率に落ち着きをみせている時に、日本市場では、出遅れを一気に取り戻すかの様なダントツの伸び)である。因みにSAPは中小企業向けに、mySAP All-in-OneとSAP Business Oneという製品をリリースしているのだが、SAP Business One(より小さい企業向け)は他社を買収して得たソフトウェアをそっくりそのまま提供しているにすぎないもので、SAP R/3とは全くの別ものである。

Reference

Moore, John. 2005,
Open-Source ERP Makes Headway in U.S. Market,
[Online. Internet] Available:
http://www.thechannelinsider.com/article2/0,1895,1812791,00.asp,
Accessed 12 August, 2005

Posted by akemi at 10:30 | Comments (2) | TrackBack

2005年08月06日

Tiny ERP

またもやオープンソースERPの新しい話題。タイニーと言うだけあって、インストールファイルが異常なまでに小さいのだが、Windows かLinux上で稼動するクライアントサーバー、マルチユーザーのERPアプリケーションである(Tiny sprl, 2005a)。ベルギーの会社なので、エストニア語とフランス語、そして英語版もある。ソースコードが25000行で、インストールはわずか2クリック、たった1日のトレーニングで使えるとか(Tiny sprl, 2005b)。すぐにでもインストールできそうだ。

追記:エストニア、フランス、英語版というのはウェブサイトの話で、以下のランゲージキットが提供されていた(スペイン、ハンガリー、オランダ、ドイツ、ローマン、イタリア、ポルトガル、中国、アラビア語などなど。翻訳が必要なのはたったの2ファイル(2000語程度の用語エクセルとエラーメッセージファイル)。(Tiny sprl, 2005c)これだったら自分自身で翻訳してみる価値はありそう。

話しかわって、Compiereのチャットルームでの話題の続き。何を「フリー(無料)」と呼ぶべきか、という議論がなされている。というのは、Compiereはソフトそのものにコストは発生しないが、一度インストールするとなると詳細な資料が必要になる。が、これは有料。ユーザー氏曰く、この有料の資料がなければ、実際には使えないものだそうだ。が一方、マイクロソフトやSAPなどは、ライセンス料を支払わないとソフトにアクセスできないが、一度ユーザーになると、その製品に対する膨大な情報(Knowledge Base)は無料でアクセスできる。どちらがユーザーにとってありがたいか、それはユーザーによって違う(というより神のみぞ知るか!)という嘆きにも似た書き込みがあった。

なかなか面白い視点だなと思うのだが、じゃぁオープンソースを開発している会社は、どこから収入を得るのだと思うと、何らかの仕掛けが必要なのだから、私としては仕方がないと思っているのだけれど、まさしくその結果、業界のトレンドがどっちへ向くかというのは、それこそ神のみぞ知るかも。

Tiny sprl. 2005a, Tiny ERP –Technicals features,
[Online. Internet] Available:http://www.tinyerp.org/intro.php,
Accessed 6 August, 2005


Tiny sprl. 2005b, Differences with others ERP,
Online. Internet] Available: http://tinyerp.com/differences.html,
Accessed 6 August, 2005


Tiny sprl. 2005c, Translations,
Online. Internet] Available: http://www.tinyerp.org/i18n.php,
Accessed 7 August, 2005

 

Posted by akemi at 23:27 | Comments (0) | TrackBack

2005年08月03日

オープンソースERPと従来のERPとの比較対照

のパワーポイントファイルがCompiereのホームページからダウンロードできたので、ちょっとチェックしてみました。オープンソースと従来のERP(所謂、SAPやオラクルなど)を比較してみて、その強み、弱みを簡潔に分かりやすくまとめてありました。

Compiereネタでは、香港の某社がBBSで槍玉に上げられています。本家がご法度と言っているドメインの不正使用(compiereの名前をドメイン内に使う)、正規パートナー契約をしていないのにパートナーを自認している、本家の資料を焼き直してFLASHに変換しただけのものを、教育ソフトとして販売している(しかも、内容は古い上に不正確!)、おまけに、スパムメールも送りつけてる等など。

で、そのサイトをチェックしてみました。なるほど、著作権など関係ない世界なのか、正規パートナーのごとく立派なウェブサイトを構えておりました。ちなみに、香港には既に正規パートナーが存在しております。

でもね、ソフトで食う人間が、他の著作権を侵害していたら、自分で自分の首を絞めている様なモンなんだけどね、とりあえずの先行者利益というのか、そういうので荒稼ぎして、後はドロンなんでしょうか。しかし、もう少しで購入するところだったよ、と言っているユーザーも居るということは、ニーズはあるということなんですな。確かにマニュアル全部に目を通すことを思えば、ユーザーの知りたいことというのは、いつでもピンポイントなわけで。

因みに正規パートナーになるには、アジアでは決して開催されない集中講座を受講した上で、パートナー契約を結ぶ必要があります。年間の契約費用は相当なモンです。それがペイできる体力のある会社でないと、なかなかパートナーにはなれません。私の様な個人事業だと苦しい部分が多々あります。

Posted by akemi at 23:05 | Comments (0) | TrackBack