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2005年12月18日

本年度を総括するのだ

今年度の仕事納めついでに今年の自分の行動についての総括をしなければならない。

表面上は飄々としていたつもりなのだが、内面的には今年ほど苦しんだ年はなかった。胃に穴が開いたんじゃないかというほどの激胃痛に悩まされたなんていうのは結婚以来はじめてのことだった。

私はいつでも目の前の障害を「どりゃー」と大声をあげながらでっかいハンマーで叩き割りつつ進むという傾向があり、それについての耐性はあったのだが、今年の自分に対してはまだ許せていないような気がしている。

今年の私は「本当に自分がやりたかったこと」がクリアになったにも関わらず、目の前にある「信じられないようなチャンス」や「ここでこそドリャーと叫ぶのだ」という状況で、自分が本当に欲しかったキラキラと輝くものの多くを自分の手で握りつぶしてしまった。そしてその度に自分を卑下して、自信を失って、やっぱり整理がつかなくって絶望感に苛まれてしまったりもした。

時にはそのキラキラの中で手の震えを押さえられないほどドキドキしたり、感動したりしたこともあったのだけど、半日もたたないうちに現実に引き戻されてバカか私はと自嘲したり、そんなことの繰り返しだった。

自分の中にあるプライオリティが秒刻みで変わる。その度にそれらしい理由をつけては納得してみたつもりになっても、次の瞬間に自分にウソをついていると自分でわかってしまう。何度も何度もこれでいいんだと自分に言い聞かせてみたけれども、どこで自分は間違ってしまったのだろうかと、何がいけなかったんだろうと過去を思ったりもした。

涙の理由は2つある。

一つは将来を夢見て脇目も降らずにワーカホリックだった頃の自分に合わせる顔がないということ。自分の将来が輝かしいと信じて疑わなかった頃の自分に、今の姿を見せたくないということ。

もう一つは本当に頭のいい人間だったら、今の自分の状況をすべてマネージできるような落とし所を見つけることができるはずなのに、それができないこと。

私の一番のプライオリティはダンナと子供たちである。今年は家族に対しては自分としては出来る限りのことをしたと思っている。もし私が昔のように仕事を始めたら、それは私にとっては、もう昼も夜も祝日も平日もない生活を意味する。物理的にはヘルパーさんをお願いすれば問題ないのだろうが、我が家の子供たちは全員が「ノー」を私につきつけた。私が働きに出ることは良いけれども自分たちだけで何でも出来るからヘルパーさんだけは必要ないと言うのだ。

私はビジネスにおいてはcompetitive(競争力がある)ではないのだ。
自分の仕事に理解がないダンナに三行半をつきつけて離婚するキャリアウーマンは沢山居るが、私はそんな彼女たちほど有能ではない。Nothing specialな人間なのだ。そんな私がたいした仕事でもないものに打ち込んで家庭がぐちゃぐちゃになって崩壊してしまったら本末転倒だ。

そんなことを私は望んでいない。

私が望んでいることは、子供たちもダンナも後手にせず、自分の持てる時間、出来る限りの能率でもって標準以上のアウトプットを出すことだった。プライオリティをつけなければならないことはわかっている。選ぶことは捨てることだ。だけど私は捨てたくなかった。のんびりとテレビを見ることも、ゆっくりとランチをとることも、たっぷりと睡眠をとることも望まない。人々がのんびりとしている時間に私が必死になれば、それなりに追いつけるのではないかと思った。そして実際私が仕事をしていた当時はそういうテンションでもって男性社員と肩を並べることができたのだ。1.5倍の努力は当たり前だった。

必死になっていると、自分がcompetitiveであるかのような錯覚を起こしてしまう。いい気になって壮大なロマンを語ってしまう。そして現実を知っては絶望感に苛まれる。

ビジネスの世界では、海外のMBAを取得したような超一流の頭脳を持った人たちが、人並み外れたパッションでもって秒刻みの意思決定をしている。目の前でドタンバタンと状況が変わるのを見続けていて、もうダメだと思う。彼らは結婚もして子供も居るかもしれないが、24時間365日戦えてしまう。私が必死でやりくりして実働16時間というテンションで仕事をしていても、頭脳もパッションも能率も彼らにはかなわない。

私は何度もレジュメやカバーレターを書き直して、それを自分で握りつぶしてしまった。次に投資ビザを取得しようと動くも信じられないような敷居の高さ(初年度から年商1億円程度が必要などとエージェンシーに言われた)にメリットを感じられず玉砕。とにかく稼がねばと焦るばかりで、結局フリーランスとして仕事を始めて今年の後半はすっかり自宅兼仕事場に引きこもり状態。

年の瀬が迫り更に落ち込み続ける私に向かってダンナが言う。

なんで落ち込んでいるのかさっぱりわからへん。お前は何が欲しいいや。そうやって稼げるようになっただけでも大きな進歩とちゃうんか。そうやって仕事しているうちに見えて来るもんがあるやろ。何を焦ってんだか。そんなことよりもっとおシャレでもしたら、自信つくんとちゃうんか。

私は自分のまわりの360度を見渡して、その度に落ち込む。
子供に時間をかけて大事に育てているママさんを見ると、うちの子は構ってあげていない、私はママとしても合格点に達していないと思う。
仕事をしているママさんを見ると、仕事のできる能力のある彼女がうらやましくって自分は結局食えないヤツだと思う。
組織の中で必死にサラリーマンとして仕事に邁進するビジネスマンを見ると、私には二度とこの世界はやってこないのだろうと羨ましくなってしまう。
私と同じ大学院を卒業した仲間たちが輝かしいキャリアを続々とスタートさせたのを知る度に、私は今ここで何をやってるんだと思って泣けてしまう。
毎日素敵に着飾ったセンスの良いマダムを見ると、あれほど綺麗だったらダンナさんも嬉しいだろうなと思ってまた落ち込む。
英語も広東語も北京語もビジネスレベルの香港人を見ると、自分は英語も韓国語も中国語も中途半端だと絶望的になる。
ランチで色々な話題を提供する話題豊富な奥様を見ると、仕事ばっかりでショッピングも映画も音楽も何の話題にも加われない自分をバカみたいだと思う。

一所懸命なはずなのに。

ずっと時間を無駄にしないように、移動の時には中国語や英語をMP3プレーヤーで聞き続け、ちょっとの時間を見つけて掃除機をかけたり床を拭いたりしているのに。子供たちが帰ってきたらみんなの話を聞いて、それからご飯を作って食べて、それから深夜までまた仕事をして。なのに満足できない自分。もうこれ以上持ち駒がないのに。

こんな時、うちのダンナは口は悪いがとても優しい。だから私はダンナを後手にまわせなくなってしまう。以前から行きたいと行っていたSOHOにあるお洒落なお店に連れて行ってくれた。食事をした後だったので甘味とお茶だけだったのだが、お店の雰囲気がとても良くて、ここしばらく感じたことのないような心静かな気持ちになった。ダンナはそこのティーポットが気に入って、お店の方に無理を言って譲って頂いたのだが、そんなこんなのやり取りも私には新鮮だった。焦って焦って全てが見えなくなっていたのだ。

香港の喧騒が全く聞こえないそこは不思議な空間だった。レトロな中国の雰囲気が漂う中で中国茶を飲んでいると、もう何を私は焦っていたんだかと急に可笑しくなってきた。こうやってゆっくりとした時間を過ごしてもいいんだ。音楽だってゆっくり聴いて、映画も観て、それでもたかだか数時間。それを焦って私は何に勝ちたかったのか。

仕事をしている人たちにも失ったものがある。私だけが全てを得られるわけがない。冷静に考えなきゃいけないのだ。私にはダンナや子供たちが一番で、それでもできる仕事はある。その中で少しずつ自分を高めていけば、子供たちの手が離れる頃の自分に繋がる何かがあるはず。決して何かを諦めたわけではないのだけれど、目指す方向を少しだけ変えたとしても、それは自分を甘やかしていることにはならないのだと思えるようになった。

総括。今年は長年の夢だった稼げる体質になりました。カッコいいキャリアウーマンにはなれなかったけど、昨年よりはダンナと子供たちを大事にすることができました。来年度はもっと地道に自己研鑽につとめ、プラスちょっぴりおシャレな奥様もやってみます。中国語学習も再スタートして仕事に行かせるレベルに持って行きますです。(来年度の占いは最悪。目立った動きは望めそうにないそうです(笑))

Posted by akemi at 2005年12月18日 00:14

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Comments

育児も家事も仕事も勉強もなんでも人並み以上のスーパーウーマンのあけんさん(て、ブログでしか存じ上げませんが。)が
そんなウルトラ級に謙虚な悩みをお持ちだなんて、驚きです。
でも、ご自分に厳しいからこそ、ここまでやれるんですね。

「自己実現」って、山登りみたいじゃありません?
きっつい上りを頑張って越えたら、ある日、思ってもいなかった
見晴らしのいい高みにいたりして。
(あけんさんのルートは、なんか急そうですね。。私の越えてきた山は、いちばん高くてもハイキングコースくらいですが。。)
ご自分で総括されているように、少し、ペースを落として、周りの景色を楽しみながら上るのも、いいものですよ〜。

それに、ビジネスの一線で活躍している人たちはみんな、そんなにすごいのでしょうか。
香港のエリート層の中で、本当に仕事で自己実現している人は、
多くないと思うのです。
家族や健康を犠牲にしたり、社内の政治に神経をすり減らしたり。
頭のいい人たちは、上手に泳いで、おいしいところをいただいていたり。

そしてまた、通っている学校とか、住んでいるフラットとか、親の所属するクラブとか、そんな値付けされた価値観のなかで育つ子供たちは、どんな大人になるのでしょうか。

「なんでも自分達でできるから、ヘルパーさんはいらない!」
なんて、あけんさんのお子さんたちのようにカッコいいことの言える子供が香港にどれだけいるか。
私は彼らこそ、「あけんさんの偉業」と言っても過言ではないと思うのですが。

なあんて。
ひとり息子も家事もアマさんに丸投げで会社に逃避し、
朝から暇なオフィスで、他人様のブログを覗き見しているお気楽ワーキングママの私が、なにを偉そうな!というかんじです。
ワレながら。へへ

(しかも、コメントなのに、長々とすみません。)

Posted by: kemeko at 2005年12月19日 13:52

kemekoさんへ

暖かいお言葉ありがとうございます!いま大阪に居るのですが、以前仕事をしていた頃のビジネス圏内を歩く機会があって、その時に当時の自分の気持ちをクリアに思い出してしまいました。深夜の地下鉄のホームで疲れ切って電車を待っていた時のことを。将来も明日も見えずただただ毎日目の前の仕事を片付けるだけで1日が終わっていた頃の自分は、良い事ばかりじゃないばかりか辛くて苦しいことばかりだったのに、今の私は、そのすべてを忘れてしまっていたのです。

自分が思い描くキラキラは実は幻想で、当時の疲れて仕事だけの自分よりも今の自分の方がはるかに自分の目標に近づいている。そう思えるようになりました。でもやはり香港で仕事をしている方(特に女性)はカッコよすぎですっ。少しでも近付けるように来年度は英語と中国語を徹底的にモノにしたいと思っています!

今後とも宜しくお願い致します!

Posted by: あけん@日本一時帰国中 at 2005年12月23日 22:21

日本に戻って着ました。
寒い中、子供たちは元気です。

落ち込むのも、昔からあけんさんのもち味ですね。

Happy Holidays !

Posted by: 谷中煩悩 at 2005年12月24日 17:19

谷中煩悩さんへ

をををっ。これはお久しぶりでございます。長期間の御駐在お疲れさまでした!ご家族みなさまもお元気そうで何よりです。うちの子供たちは日本のあまりの寒さにびっくりしております(雪のおまけつきです!)。

外からニュースだけで見る日本はとてつもなく異様な国に見えていたのですが、実際の大阪の街は以前とかわらずコテコテで他人とも会話を交わせるおもろい街で安心しました。

今後とも宜しくお願い致します!

Posted by: あけん@明日からオフライン at 2005年12月24日 20:57

Mike 18 http://43133.rapidforum.com/

Posted by: Mike 18 cute cam boy at 2006年05月02日 06:19

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