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2005年07月28日

Inyon-flavored kitchen

我が家のコドモたちは「eating out (外食)」が嫌いなのである。

今更であるが、私は料理が下手である。おまけに料理雑誌をマメマメしく読む様なこともしないし、料理番組も見ない(というか、もうここ7年くらいテレビの前に座ったことがない)。しかし、我が家のコドモ達は外食が嫌いである。出かけて食べるのが面倒くさいのである。

特にカオルは外食する度に弟たちの素行の悪さにマジギレしまくるので、あんな思いをするくらいなら家で食べた方がマシで、しかも彼女はメニューを見て「値段」をチェックしては

「あの金で何が買えたか」

状態になってしまう。

でもねーっ、ここ香港なのよーっ、飲茶や中華料理の本場なのよーっ。私だって色々食べてみたいわよーっ。

しかし現実は厳しすぎる。一度コドモ達が食べはじめると私までもが

「何故私は4人も生んでしまったのであらうか」

と哲学せずには居られなくなってしまう。やつら食いすぎ。

家計を心配してしまうカオルはもっと可哀想。弟たちが叫ぶメニューに「お前
いくらだと思ってるんだーっ」とか突っ込んだ挙句、5ドルの違いに悩むのである。で、最後に

「ママちゃん、これ5ドル高いんだけどいい?」

などと聞いて来ると哀れでならない。いいのよー、カオ。今日はパパちゃんのポケットマネーから出るから、あなたがそんなこと気にしなくっていいのよー、毎日のことなんじゃないんだから、と言って5ドル高い方を注文すると。

「いいのー?本当に」って5ドルでそんなに話長引かすな!!!

で、食べた後には信じられない声が。

「ママちゃん、もっと食べたい!もう一個いい?」

って坦々麺おかわりするでないっ!コドモで二人前食うなーっ!!カオルは当然のことながら家計を全く気にしない弟の後頭部を殴ってる。殴らんでいいー、殴らんで。もめないもめない、こんなところで。

当然のことながら、坦々麺2杯ずつ食べさせる気などないで全く、ということで、外食をして気に入ったメニューがあるとコドモたちが

「つくって」

と言うので仕方なく家で作る。言っておくが私は料理が下手で趣味でも何でもない。ただただ私は給食おばさんとして大量に作るのみだ。おまけに私には既成概念というものがあんまりない。胃に入りゃー一緒でしょーが、ということで、我が家の坦々麺は、ときどき

坦々うどん

だったり

坦々ソーメン

だったりする。我が家のデフォルトは

坦々味千ラーメン(ほら5人前で10数ドルで売られてるやつ。一回に平均13人前使う。どんなんや)

でも家で作ると、私好みに作れて(豆板醤、ゴマペーストたっぷりで、最後の仕上げに米酢をドボドボ)替え玉自由。もう二度と外で坦々麺食うな、という感じである。

火鍋も食べに行った。めちゃ美味だった。しかしカオル曰く

「これ家で作れるよねーっ」と言いつつ舌をびちゃびちゃ言わせながら、レシピが頭の中をかけめぐっている。そうトマト火鍋は既に我が家のレシピに加わっておる(要するに、トマトジュース1に中華スープ1、他にはお好みでスパイスをどうぞ。魚介類の鍋種はマストでございます。ダシが出るからね。これだけなのに、かなりお店のレシピに迫る。)

香港に来てコドモ達が大騒ぎだった「回転寿司」にも一回行ったがもう二度と行かない。我が家は常に「白皿しか取ってはいけません」が徹底されているので、コドモたちは卵だとか納豆巻きだとか、そういうものしか取らない(というか取れない)のだ。しかも、ハッキーでも8皿くらい食べたりするのよー。で、オトコの子たちは皿の数を競う。

競うなーっ!!!!!!

白皿ばかりが数十皿並ぶ光景をあなたは見たいですかぁ?

私は見たくありません。うず高く積まれた皿を見つつ、私はもう胸がいっぱいで三皿が限界(ううう)。もう二度と行かない。もう絶対行かない。家で手巻き寿司している方が精神衛生上良い。忘れてくれ、もう回転寿司のことは。

だから我が家ではコドモたちが気に入ったレシピは家で再現せねばならないのだ。もちろん有名店のあの味、というわけにはいかないが、料理下手のママの食事を長年食べさせられているため、だいたい

「おいしい、ママちゃん。おかわりっ」

といってバクバク食べる。世間のレベルに気づかせてはならぬ。あなたたちのその開発されていない舌は、将来お嫁さんたちを喜ばせるであろう。

「うちのダンナって何つくっても美味しぃって喜んでくれるのよ。お義母さんがあんまりお料理上手じゃない人だったみたいで」

と言ってもらえるだろうから、これはこれで良い。しかし、問題はカオルだ。将来ダンナに

料理が下手な上に気が強い

って言われて、いいトコなしやん、カオかわいそうに。(ってまだ言われてないか)

という様に、コドモたちがリクエストするものは大体再現できるので(一番重要なのはカオルの舌。我が家の料理の最後の味付けをするのは彼女の方で、私ではないのよーっ)、外食は最小限に抑えられているであろう。しかし

じぇったい再現できないものがある。それは

「吉野家の牛丼」

なのである。これはもう、味付けから肉から何から何まで全くお手上げ。この間などは、普段台所になど絶対入らないダンナが入り込んできたかと思うと突然、

「あけんっ、お前、今日何やってたんや!!」

と叫ぶので、何かと思うとダンナの手に「ワインの空瓶」が….

し、しまった。隠したと思ったのだがバレてしまった。言えない。牛丼つくるために貴重なオーストラリアンワインを一本空けてしまったなんて。

「お、お前、このワインいくらすると思ってるんやーっ」

あ、もしかして全員で吉野家行く(要するに大セット25ドル×6=150ドル)よりも高かったかしらん????

私としては、この時の牛丼は完全に失敗作。安いお肉は臭みをとって、ということでブラジル産のお肉を湯通しして使ってみたのだが、脂のノリが違う気がするし、味に至っては「全くの別物」。しかし、もちろん開発されていない舌をお持ちの我が家のコドモたちは、お代わりの連続だったのだが、しかし。

カオルが言う

「ママちゃん、吉野家に働きに行くといいよ。それで教えてもらうの!」

そういう時に彼女の目はキラキラしている。チーンと鐘が鳴ったときの一休さんのよう。最高のアイデアを思いついたってヤツ。

もとい。や今日のネタの本題はここからである(前置き長すぎ)。

ということで、私の主食は「コーヒー」と言っても過言ではないほどのコーヒー党である。完全にアディクション(中毒)なのである。で、我が家にはワンプッシュで美味なコーヒーショットを吐き出してくれるSaecoちゃんがダイニングに鎮座しておる。そのSaecoちゃんにタッチすること一日うーん平均8回くらい(うち2回はダンナ用なんだけど)。つまり最低でも6杯くらい飲んじゃうのだ。いかんいかん。中毒で死んじゃうかも。でもこれがないと、これまた「いつでもどこでもすぐに寝れる」という私の特技を披露してしまう。PC前で寝ちゃうこと数限りない。時にはちょっとだけと居間の絨毯の上にゴロンとなったらそのまま朝(涙)。カフェインが必要なのよーっ!

週末にダンナをスーパーに連れていったら、何故かカートの中にTwining English Breakfast Teaが投げ込まれてあった。

「あー、もう達ちゃん、値札見ないで投げこまないでよーっ。」

コドモは赤札以外にタッチするなと言われて心得ているのだがしかし、ダンナは

「お前もコーヒーばっかりじゃ身体に悪いやろ。タマには紅茶飲め」

と優しいことを言ってくれる(って紅茶にもカフェインいっぱい入ってるんや。一緒のような気がするが)。

ということでその紅茶を前にして、私はまた良からぬことを企んでしまった。

コーヒーと紅茶。そのココロはーっ

そうっ。鴛鴦茶(いんよんちゃー)よっ。

実は私はこれを買ったことがない。実際の味がどんなもんかは知らない。でもコーヒーと紅茶を混ぜて飲むという、このチャレンジスピリッツ!香港人ってすごいじゃないかっ!ということで私もチャレンジせずにはいられなかったのだ。しかし、これが妙に私のツボにはまってしまっていて、もうこのビバレッジがなければ過ごせない状態になってしまった。だって我が家のインヨンチャは、

スタバの豆コーヒー+濃い目に入れたTwining English Breakfast Tea+エバミルクとコンデンスミルク(甘さを調節)

というスーパースペシャルなインヨン茶になっているのである。スタバのコーヒーの味に、イングリッシュブレックファーストティとエバミルクの芳醇な香りが漂って、すっごい美味しぃのよーっ。味わったことはないが、そのへんの茶餐廳じゃぁ飲めないでしょう。

ということでホリデーに突入して、台所実験が増えている我が家である。

Posted by akemi at 01:21 | Comments (0) | TrackBack

2005年07月20日

サマーキャンプ最大の敵は

何はともあれ生きて帰ってきました。我が家の悪ガキ三人組。感想は「もう二度と行きたくないっ」ってちょっと軟弱すぎないかぁー???

実はここ数日の香港は、うだるような暑さで、日本でも熱中症などの死者が出ていたほどなのだが、その暑さの中のアウトドアキャンプであったのだ。

参加者は全部で17人。10人は2泊3日、7名は4泊5日。アメリカから香港に一ヶ月滞在しているので参加しました、というブロンドの女の子を除くと、ほとんどが香港人でインターに通っている子供たちだったそうだ。それぞれ、2人〜3人で一つのテントをシェアし(つまり我が家の3姉弟で一つのテントを占有)、テント設営からパッキングまでを自分たちのグループで責任をもってやるのだそうだ。最初に説明を聞いて、自分たちでやってみる。出来なかったらナビゲーターに聞く。カオル曰く、結構簡単だったというテント設営も無事終わり、アクティビティへと向かう。

事前に、今夜は雨が降りそうだから絶対テントは開けて寝ちゃだめよ、と念を押されて密閉状態だったテントは、昼間の熱気を充分に取り込んで全くのサウナ状態。それでも猛暑の中でのマウンテンバイク講座(香港のコドモたちは自転車に慣れていないせいか、うちの子供たちはぶっちぎりに速かったそうだが、それでも急傾斜を自転車で駆け上がらないといけないらしく、それは相当きつかったらしい)を終えた疲れきった彼らにとっては、暑いのどうのと言う以前にバタンキューだったらしい。

徹底したアウトドア志向で、トーチ以外の電気製品や貴重品は持っていってはいけないことになっていて(しかもデイパックに収まる様にパッキングしていかなければならない。余計なもの持っていけないのだ)、島でもクーラーの効いた部屋など一度も入ることがなかったらしい。インドアでの活動も「窓全開で」やっていたそうだ。レストランで食事をすることもあったそうだが、それもアウトドアで暑い空の下で、熱々のチャーハンが出てきたのよーっ、とカオルは大騒ぎしていたが、男の子たちの反応は違って、そのチャーハンがめちゃ旨で、全員でがっついたために30秒で全てなくなってしまったそうだ。食事に関する感想では、バーベキュー(ソーセージやマシュマロを焼くなどの簡単なものだったそうだが)やキャンプファイヤーは、美味しくて楽しかった、スパゲッティをタカシが3杯も平らげたとか、結構楽しそうに話してくれた。

持ち物の一例として reading materials というものがリストされていたので、カオルは買ったばかりのピカピカのハリーポッター新刊を(すんごい分厚くって重いのにっ!!)バックパックに詰め込んでいったのだが、結局ほとんど読めなかったそうだ。テント内の湿気がものすごく、カバンから出したら大切な本がびよよーんとふにゃふにゃになっちゃいそうだったので(ということで、今ベッドで読んでいる)カバンから出せなかったのよー、などと言っていた。

私の最大の関心事は、あの「雷雨」のことである。あの時、タツミはベソかいてなかったのか、カオルはキャーキャー言ってなかったのか、と聞いてみたら、

「あー、そういえば雷なってたねーっ」とカオル

「あー、って、アンバー出てたから室内で寝たのかー」と私

「違う違う、テントで寝たよーっ。雷はなってたみたいだねー、じぇんじぇん怖くなかったけど、雨も降ってたんだ。ふーん」などとノンキなことを言っている。私は死にそうに心配してたのにぃーっ。

で、それを聞いていた男の子たち、雷がなんだ、という話になって、もしかして、こいつら知らなかったのかーっ、あの雷雨のアンバー事件をっ!

「知らないよーっ、タツミたちコンスイ(昏睡)状態だったからねーっ」(カオル)

「こ、昏睡状態って。それを言うなら熟睡だったって言ってよーっ、カオ」(私)

「違う違う、ほとんど死んだ様に寝てたからさー、こいつら(弟たちのことを彼女はこう呼ぶ。彼女の性格がわかるでしょー、って私と似すぎ)。だからコンスイ状態なんだって」

新定義:死んだ様に寝ていることを「昏睡状態」と言う。(カオル語録)

とにかく、知らんと爆睡だったらしい。しかも、サウナ状態のテントの中で、タカシは、スリーピングバックを頭から被って寝ようとしていたらしい。バカバカ、タカシのバカ!熱中症で死ぬぞぉーっ。

「それにしても、日本じゃー、熱中症で倒れた人もたくさん居たみたいなのに、誰も熱中症にかかんなかったのー?」と聞くと

「ナビゲータさんが、一時間おきくらいに、サンスクリーンを塗って、とか水を飲んで、とか言ってくれて、その通りにしてたら大丈夫だったよ」と彼女が言うので

「流石プロだわねーっ。そういう指導もちゃんとしてくださるのね」と感心していると

「そりゃーさー、死なれた方が困っちゃうじゃん。手当てしたりするのも大変だし、救急車呼んだりするのにもお金かかっちゃうし。向こうも必死だよー。」ってあなたの言っていることは多分に正しいが、11歳の女の子の発想かよ、おい。

それ以外にも、夜にトーチの灯りだけでビーチを散歩したり、カニや虫を沢山見たりと、面白いことがたくさんたくさんあったのだ。しかし、いかんせんあの暑さ。その暑さだけで、充分に「二度と行きたくない」という結論を出させてしまった様なのだ。

「だってママちゃん、あの暑い外の方がまだ涼しいと思うようなサウナテントの中で寝て、カオちゃんもう5キロくらい汗かいて死んじゃうかと思ったよーっ。あー、もうクーラーの効いた部屋でずーっとのんびりしていたいよー」

と言うカオルの声を背中に聞きながら、私の目がクーラーの設定パネルに行く。

「だ、誰やーっ!!設定温度5度にしてるのぉーっ、しかも最強やんか!!!」

設定温度5度のキンキンに冷えた部屋で、氷たっぷりのワトソンズウォーターを飲む子供たちであった。この夏、親子6人で再度そこにテント張りに行こうかと密かに思っていたが、やめた。誰よりも暑さに弱いのは、他でもないこのワタシ。クーラーないと死んじゃうのに、そんなサウナテント、じぇったいに行かないっ。

Posted by akemi at 22:50 | Comments (2) | TrackBack

2005年07月19日

Abmer (yellow) + thunderstorm, NOW!

雷雨である。現在アンバー黄色。普段なら美しい稲妻を時々窓からながめたりするのだけれども、今日だけは心中穏やかでない。

というのも、カオル、タカシ、タツミの三人が2泊3日のキャンプに行っているからなのだ!もちろんナビゲーターがついているのだから大丈夫だとは思うのだが、やはり初めてのサバイバルキャンプ(と私が勝手に呼んでいる。実際はサバイバルなのか手ぬるいのか不明)なので、キャンプ前夜に大興奮で準備していたのとは違って、出かける日の朝には全員かなりナーバス。おまけに私が「自分勝手なことしてたら死ぬねんで、タカシ(あえて個人攻撃)」とこんこんと言い聞かせていたら、死んだらいけないと思った彼が

「やっぱり行かない方がいいよーっ」

と言っていたのが今でも耳に残っている(って不吉すぎーっ)。朝ごはんもしっかり食べないと死ぬよーっ、と叫んだのだがそれがシャレになってないと後で気づいた無神経な母である。それにしても、鉄筋コンクリートの重厚なアパートにいる私たちにも、雷雨の様子がロコツに伝わってくるのに、テントの中から見たら、稲光の度にテントの周りが真昼間みたいになるんじゃないかとか思うと、きっと子供たちのうちの一人くらい半べそかいていると思う。心中おだやかでないので、ブログ書いて心を落ち着かせているのだ。

上の三人がなかなか帰って来ないのを不思議に思ったハッキーは私に

「ねー、カオちゃんたち、一生帰って来ないの?」

などと聞いてきたのも、今思えば不吉すぎーっ!!明後日には帰って来る(はず)なのよ!!と彼には言ったが、しかし。

ダンナは「いい経験だよなーっ」と言って爆睡中。

天気予報を見てみると、昨日の予報とは違って今週ずーっと雨になっているっ!せっかくのアウトドアキャンプがインドアになってしまいそうだし、帰りの船も揺れたら怖いし、親としては細かいことが心配で心配で胃に穴が開きそうっ! 私って意外と子離れできてなかったんだ、と実感しつつコーヒーをすする私であった(つづく)。

Posted by akemi at 04:01 | Comments (2) | TrackBack

2005年07月14日

I feel like “STARBUCKS” coffee!

朝8時台の公共交通機関を利用するのにも慣れた。通勤、通学する人の群れに紛れて、もう何年も此処で生活しているかの様に、慣れた手つきで二枚のオクトパスカードをFare Saverにかざす。(因みに、午後1時前後のエスカレータ内のFare Saverには長蛇の列で近寄れないので、この時間だけは避ける)

その日もいつもと同じ様にワンチャイの語学学校へ行った。授業が終わり、一分一秒を争うがごとく、常に急いでいる私の背中で、聞き覚えのある声がした。アケミ!という声に後ろを振り返った私は、まるでお化けでも見たかの様に驚いてしまった。

母国へ帰ったはずのイギリス人の友達が立っていたのだ。

彼女は笑顔を炸裂させながら、私の方に近づいてきた。私は挨拶もせずに突然、

「つ、つまり、就職決まったってことぉ〜??」

とサビから話を始める。彼女は叫び声に近い声を上げてそうなのよー、と答えてくれた。私は彼女が受けた会社の名前をいくつか上げたのだが、それのどれとも違うと答えた。おまけに彼女の要求サラリーを超える額を提示してもらえたらしい。よくやった!!!!

で、現在働くためのビザ申請中ということで、今度は真剣に広東語に取り組むらしい。って彼女が普通語のレッスンの時に何度も言っていた通りに。就職が決まったら広東語にスイッチするからねって。

彼女にはもう二度と会えないかも知れないと思っていた。帰国するのだと私に告げた時に見せた彼女の表情は、いつもの自信の欠けらもなく、何とも言えない複雑なものだった。落胆、そんな簡単なものではなかった。志半ばにして夢を諦めざるを得ない状況。彼女の3ヶ月が全くの無駄になってしまった。力のない怒りの様なものが漂っていて(そしてそれは、何に対してなのか、自分でも判っていない様だった)、それを見た私は、それからしばらくの間かなり落ち込んでしまったのだ。

夢は願わない限り叶わない。願えば叶うというものではないが、願わない限り叶うこともない。紺のジャケットを着込んだ彼女は、今にもそのブロンドのロングヘアーを颯爽となびかせて、香港の金融街に消えていきそうだった。私にしれみれば、どんなハリウッドの女優もかなわない程、カッコいいキャリアウーマンに見えた。

その日、いつもは一目散に家に帰り、パソコンの前で作業をしながら、子供のお弁当の残りを食べつつ自宅で淹れた“スタバの豆”コーヒーをススるのであるが、その日ばかりは人知れず彼女をセレブレイトしたい気分だった。

I feel like Starbucks coffee

ヒルサイドエスカレータの中腹にあるスタバで、贅沢にもグランデを注文して、私も気分だけは颯爽と、スタバを手に持ちエスカレータを駆け上がった。

私ももう一度、夢を描きなおしてみよう。

Posted by akemi at 00:39 | Comments (0) | TrackBack