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2004年11月21日
オーストラリアンアイドル
今日はオーストラリアンアイドル2004のファイナルだった。
16歳の高校生の女の子ケイシーが優勝して、その瞬間から、Webから彼女のシングルのダウンロードが開始された。(http://www.bigpond.com/idol/) ファイナルに残っていたもう一人の21歳のメルベン出身の音楽教師であるアンソニーは、常に女性の熱狂的ファンをつかんではいたが、くしくも二位に甘んじてしまった。しかし、彼の歌唱力も只者ではないし、既にアーティストとしての貫禄も充分だった。彼は間違いなくデビューできるであろう。去年2位だったシャナンがデビューできた様に。
ところで、このオーストラリアンアイドルというのは、チャンネル10で放映されているオーディション番組で、今年で2回目。ここで優勝すると、今度はワールドアイドルというアメリカやヨーロッパなど数カ国からの優勝者たちが集って、その中のナンバーワンを決める世界大会への切符を手にするのだ。一回目優勝者のガイ セバスチャンは、私の熱狂的な応援も空しく、世界では第6位に終ったのだが(ちなみに一位は英語がまだまだ苦手というノルウェーの人だった)、国内最大の音楽祭ARIAでも受賞するなど、国内の今年のミュージックシーンになくてはならない人となった。今年最も売れたシングルが彼のものだった。つまり、ここの優勝者はレコード会社と契約してプロの歌手としての未来が約束されている。
しかし、一朝一夕で選ばれない。セミファイナル、ファイナルと進んでいく間、アイドルを目指す彼らは、番組から出されるテーマに(70年代の歌だとか、オーストラリアの曲だとか)添って、自分で曲を選んでは番組の中で熱唱する。何週間もかけて、一人ずつ絞られていく。それを選ぶのは視聴者達による、SMS(携帯電話のメッセージ、もちろん有料)投票だ。つまり、完全に人気投票になるのだが、カッコいいだけ、かわいいだけ、歌がうまいだけ、というのだけではアイドルにはなれないのだ。そして、この番組を見ながら私は何度も泣いてしまったのだが、どんどんと素人だった人達が目の前で成長していくのだ。
この番組を見ていて思うのは、日本の「アイドル像」との違いに驚く。昨年優勝のガイを見た時には、この国はすんごい国だと思ったのだが、決してビジュアル重視ではないのだが、人間の個性に勝る尊いものはない、といった印象を持ったのだ。例えば、日本だと、つんくだとか小室哲也だとか、そういう人達の前提にあるのは、「アイドルは作れる」という発想だ。しかし、ここ、オーストラリアに来ると、それがどんなにか、根本的に考え方が違う(というより、私は間違っているといいたい!)、薄っぺらいものだと思ってしまう。アイドルを作るという発想は、その人が持っている個性を完全無視するということだ。彼女たちも、それぞれの個性をフィーチャーしつつプロモーションしているという反論があるかもしれない。でも、それは違う。個性というのは、そんなもんじゃない。同じ様に二人も三人も、メンバーが交代してもオッケーみたいな、それのどこが個性だというのだ。個性というのは、他の誰にもない「何か」なのだ。それは、その人によって違う。その人間の生きてきたバックグラウンド全てをかかえながら、その集大成としてのパフォーマンス(舞台で歌うということ)に、他の誰にもない何かをキラリと輝かせる、その時、視聴者は、一種圧倒されるくらいのエネルギーを受けとるのだ。辛口の審査員たちは、これはコンペティションなんだ!と彼らを奮いたたせる。厳しいプロの世界。マラソンレースやオリンピックが私たちを感動させる様に、このコンペティションでも、素人だった人達がだんだんとプロの顔になっていく、そんなドラマを私たちはみているのだ。
今回優勝したケイシーは、普通の太った高校生の女の子で、パッとしないジャージとズボン姿で最初のオーディションに登場している。審査員からその服ではダメだと言われ、自分の人生にはなかった様な服を着始める。お化粧を始めて、ヘアードレッサーもつき、ボーカルレッスンも受ける。パッとしない、でも歌のうまい女の子から、彼女こそナンバーワンとオーストラリア中の人達が思ってしまうほどの、ものすごいアーティストに成長していった。表情もどんどん変わる。自信がついているのが手に取る様にわかる。スポットライトを浴びてどんどんキレイになっていく。彼女は既に素晴らしい歌唱力を持っている、でもそれ以上に、コンテスト期間中の彼女の伸びしろを考えると、彼女の持つ潜在的な才能というものが無限大だと感じさせる。そういった期待も含めたタレント性を見ながら、視聴者たちは投票するのだ。顔はオッケー、スタイルも抜群、いまのトレンドにあっているから、歌なら何とかレッスンつけて形になるだろうと選ばれた女の子に、有名な作詞家、作曲家、そして商業的なタイアップもありで、こってこってに表面上を飾り付けてデビューさせる日本の業界とは違って、その本人の可能性や才能を、最大限にまで引き上げて、そしてそれをどんどんと伸ばしていく。特にここは英語圏なので、音楽界のコンペティションは国内だけではないのだ。他にない何か、個性、それは言葉に簡単には表せないけれど、魅力の源泉であることだけはたしかだ。
といっても、子供たちによると、第一回目ほどの盛り上がりには欠けていたらしい。第一回目は、ガイか、シャナンか、とまさにオーストラリアが真っ二つに分かれるほどの関心を集めていた様だったのだが、今年は、ちょっと真面目な青年と、歌がめちゃうまの女の子、という対決だったので、去年の様な「どっちのオトコが好み?」みたいな女の子たちの格好のおしゃべりネタにはならなかったらしい。とにかく、私は釘付けになって見てしまっていた。あー、次はワールドアイドルに向けて盛り上がってほしいな!
Posted by akemi at 2004年11月21日 00:52
Comments
ひさしぶりにオーストラリアの話題に触れ、懐かしくなりました。
オーストラリアンアイドル・・・私がちょうどワーキングホリデーでオーストラリアにいるときに 毎週はまって見ていました!
CDも持っています。
帰国してから、それが世界でのオーディションに続くものだったことを知り、驚きました。
日本人はやはり出ていないんですね。
何かにつけ、日本はまだ海外・・というか世界に通じていないんだなって感じます。
帰国して “日本人らしく働きまくり” の日々の中、またオーストラリアに住みたい!!と野望を持ちながら、おもむろにコメントしてみました。
Posted by: 希美 at 2005年10月18日 17:25
希美さま
コメントありがとうございます!
オーストラリア、いいですよね。あの人間らしい生活に戻りたいとも思いますが、日本以上に働きまくりの香港は、これはこれでエキサイティングでございます。
オーストラリアンアイドル、日本のアイドル像とは全く別モノですよね。私は一昨年優勝のガイがとっても好きでした。いつも車の中でCDかけてました。昨年度はアメリカンアイドルがかなり盛り上がっていたそうですね。今年はどうなっているのかしら?
というのはこちらのURLで
http://www.australianidol.bigpond.com.au/default.aspx
チェックできます!
今後ともよろしくお願い致します!
Posted by: akemi at 2005年11月07日 22:17
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