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2004年09月18日
The mind of the strategist
怒涛のごとしアサイメントの山も一息つき、今学期も後半に突入した。
どのサブジェクトも気持ちは最終のメインプロジェクトへと向かう。今学期、特に私が力を入れているサプライチェーン&ロジスティクスマネージメントという科目で、思いがけない本と再会してしまった。大前研一氏の「企業参謀」の英語版、The mind of the strategist という本である。
この「企業参謀」という本は、私が中学生の頃、うちの父に勧められて読んだのだが、その当時の私が、その内容を理解できていたとは決して思えないのだが、ただただ、まだ見ぬビジネスの世界への憧れの気持ちで、胸がいっぱいになったことだけは覚えている。
それから20年以上経て、専業主婦になり、そして今、ビジネスを学ぶ学生となった。この科目の最初のアサイメントの私のテーマは、Lean Thinkingという、トヨタのジャストインシステム(又は、トヨタプロダクションシステム)をベースとした、サプライチェーン内(正確に言うと、その中の一つの製品ラインにおけるバリューストリーム内)に存在する無駄を特定して、徹底的に排除をしていくというSCM理論だったのだが、調べれば調べる程に、トヨタのSCMシステムのすごさと、それが英語で世界に紹介されていく過程を知り、一日本人として、別な意味で感動をしたりもしていた。授業の中で飛び交う日本語。カイゼン、カイカク、ムダ、カンバン、ホシンカンリ などなど。当然のごとく、たった一人の日本人である私に、レクチャラーの視線が向く。そして、参考文献の欄に思いがけない人の名前を見つけた。Ohmae −大前研一氏である。今でも、特にこのマインドオブストラテジスト(原書は企業参謀だが、この英語の本をさらに日本語訳したものが、ストラテジックマインドというタイトルで、後日、日本で発売されている) は、アメリカでも経営学の教科書として使っているところもあるらしいので、その価値については世界が認めるところだが、その本を今日、図書館から借りてきて電車の中で読んでいた。そして涙がこぼれた。英語で書かれたその本を、当然の様に読める自分が嬉しい。私は、あの時、初めて企業参謀の本を手にした時の自分と、今の自分が、映画の一シーンの様に重なって見えた。15歳の私と39歳の私と。年取るのも悪くないなという気持ちと、あの時と今と、私ってちっとも変わってないや、という気持ちと、何だかわけもわからなく、生きているって素晴らしいとか、そういう気持ちだとかが、一気に自分に押し寄せてきて、わけもわからず泣けてきた。
実は数日前、ひょんなことで大学の友人宅にお邪魔した。若者たちが数名でシェアしている一軒家だった。そこには夢とか希望とか、甘酸っぱい若者たちのエネルギーが結集している様なオーラを感じた。そして自分で気づいたことがあった。あぁ、私はこういう時代を既に卒業したんだなと。バックパック背負ってドミトリーを泊まり歩いた時代もあった。数十円を惜しむ様なケチケチした旅だからこそ見えた景色があった。それを自分で誇りにも思った。素晴らしい青春だった。今でもそう思う。でも、ノスタルジックにその時代に戻りたいとは思わない。もう、私はあの世界を卒業したのだ。次に行くときは、また目線が違うはずだ。でも、それでいいんだ、と心の底から思ったのだ。今自分の置かれている状況と、自分の中での意識の変化を、初めてしっかりと実感して受け入れた気持ちがした。私は、若い人たちに混じって勉強をしている。みんな、私を同志だと思って仲良くしてくれている。本当に有難いことだ。でも、私は彼らと同じところにいちゃだめなんだ、と思った。夢と希望に満ち溢れ、多少の失敗も糧としつつ、そういう時代にいる人たちと、同じ意識ではいられない。既に私は子供ではなく、親の側の人間になった。仕事もした。子供も生んだ。つらいことも、それなりに乗り越えて来た。歳食っていることを卑下することよりも、彼らにはない人生経験みたいなものは、胸を張って自分の自信に加えていいんだと思える様になった。さぁて、ここで、これからの生き方の戦略でも立て直すか、と、マインドオブストラテジストを読みつつ、決意を新たにする私であった。
Posted by akemi at 2004年09月18日 00:38
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