2004年03月19日
尊敬する人たち
今の私の大学院生活の中では、当然のことながら、私は最年長の部類に入る。私の周りには、20代から30代前半までの人たちばかりだ。女性は極端に少ない。全体の1割程度。
現在のこのコースでは70%がインターナショナルスチューデント(移民狙いの人が極端に多い。このコースを修了することで、移民のためのポイントが稼げるらしい。つまり、オーストラリアで不足している人材ということになる)。学生の中で3割のオーストラリア人の他は、一大派閥はインド系、そして中国系。これだけで、全体の5割は占めているだろう。その他には東南アジア出身(しかし、ほとんどは中国系かもしれない)が2割程度か。そんな中でたった一人の日本人として、私がいる。これがこの業界の勢力図そのまんまじゃないかなー、などと思うと悲しくなってもくるし、自分が妙にアドバンテージを得ている気もしたり、と複雑な心境。
しかし、周りが若い人たちばかりというのも、とっても楽しい毎日である。私は既に終わったはずの青春そのものを、彼女や彼らを通して、再度側面から味わったりもしている。色々な人生を抱えてきて、色々な思いを胸に、たった一人でやってきた留学生たち。何故か私は、優秀で真面目な東南アジアや中国系の友人に多く恵まれつつ、少しテンションの違う変わった日本のオバサンとして、仲間に入れてもらえている。
超優秀なプレゼンのパートナーであったシンガポールの彼は、あまりにも優秀なため特別のアサイメントが与えられてしまい、プレゼンテーションはする必要がなくなってしまった。次に私のパートナーとなった中国から来た真面目な女の子と、今日プレゼンの打ち合わせをしたのだが、彼女の優秀さに、もう心の底から感動してしまったのだ。まだ25歳。しかしとっても独立心が旺盛で横でみていても、ほほうと思ってしまうことしきりだ。 そこで、彼女にリサーチユニット(ボランティアの勉強会)の話をしたら、彼女は知っているけど、といいつつこんな話を付け加えた。
「今の私のプライオリティは、SAPの基礎を固めること。基礎さえしっかり出来ていれば、その上にはどんどんと積み上げることができるじゃない。今の私に、そんな無理な研究をしたって意味がないもん」 私は自分の25歳を振り返った。いや、今の38歳の私でも、そんなに地に足ついた物言いできない。私は焦ってあれもこれも、とにかくどんなことでも身に着けたいと思っていた。彼女はIT関連の大学を出ているからか、基礎の重要性を理解している。私は、自分自身は心理学出身で、コンピュータのハードの部分については、全く基礎ができていないことを知っている。仕事をしていたとき、それを指摘されたこともある。やはり理系でないと不利なのか。そう思ったこともあった。だけど、だからこそ、基礎の大切さの意味を理解できていなかった。よく英語の勉強をしていて聞く話なのだが、ネイティブであれば、相手の話す英語がどれほどのレベルかというのは、即座に見抜くことができるが、出来ない私から、私以上にうまい人のレベルを特定することは難しい。それと一緒で、持っている人からみれば、ここの部分が要なんだけどな、という部分を見抜くことはたやすいが、もっていない私からすると、皆目検討がつかないものだ。
また、プレゼンのアイデアを二人で出し合っていたのだが、その進め方を見ていても感心させられた。さすがにIT関係の人と思わせるのは、「とにかくロジックが大事」ということを強調することだった。まず目的を明確にし、教授の狙いを読み取り、何を強調し、何を反古にするか、見事なまでにロジックを組み立てる。もちろん、私なりのアイデアも盛り込みつつ、二人で延々と議論を繰り返す。あぁ、これか、と思い当たった。ほぼ全てのサブジェクトで最初のアサイメントはグループワークになっている。私は拘束時間を考えて、すべて一人でやりたいと思っていたのだが、他の人の意見、しかも、今回は、バックグラウンドが、国籍や母国語、社会経験、文化に至るまで全く違う人たちとの共同作業ということで、こんなにも、意外なところで発見があるのか、そういう考え方もあったのか、と深く感じ入ることしきりなのだ。まだまだ、言葉を自由自在に操れるわけではない私は、このグループワークは、正直言ってキツい。キツいが楽しい。楽しいから続けられる。毎日、感動や絶望、不安や思い上がりを、一日の中で何度も繰り返してしまう。私は最初、本当に勉強だけをするつもりでいたのだが、何故だかいろんな部分で刺激を受けている自分を発見して、驚いている。外国で学ぶということは、こんなにも、全身全霊ゆさぶられるほどの出来事なのだなぁ、と今思っている。
Posted by akemi at 2004年03月19日 00:05
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