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2002年12月19日

大きなカバンの中身は?

 日本からメルベンへ引越しする時に、家財道具の全てを持っていけるわけではない。

引越費用は会社負担ではあるが、もちろん制限容量があるので、とりあえず使わないと思われるものはトランクルーム行きとなった。大型家具、大型電化製品、多くの書籍も日本に残してきた。その中に子供たちのランドセルもあった。

 どちらにしても現地校だろうから、と置いてきたのだが、これは正解だった。こちらの学校は、制服もカバンも学校のロゴ入りのものがあり(しかし、これは義務ではないので、好きな人は買ってくださいという位置づけである。にもかかわらず、多くの子供たちが制服を着ることをDむ)、それを利用することが多い。といっても、勿論、うちの子供たちだけ日本のランドセルを持たせたかったら、それはそれで全く問題がない。いや、実はちょっとだけ問題がある。大きさだ。

 こちらの小学校のカバンを見て驚いた。大人のバックパックくらいあるのだ。プレップの子供たちが背負うと、完全に「カバンが歩いている」という感じなのだ。

 最初に学校を訪問した時に「カバンはある?」と聞かれて、いや、実はないんですよ、と言ったところ、先生は、「あら、お弁当はどうやって持ってこればよいかしら」とさぞ困った様におっしゃったので、お弁当入るくらいのカバンならあるけどなー、と不思議に思ったものだ。

 最初のうちは、あのでかいカバンの中身は何だろうか、といつも不思議に思っていた。というのは、先生に、初日に持ってくるものとして言われたのは、「お弁当とスナックと飲み物」だけだったからだ。それだけなら、うちにある小さなカバンで大丈夫と思い、小さなカバンを持たせていたのだが、そのうちに、それがどうしようもない不便な代物なのだと気がついたのだ。

 こちらでは、お弁当は、日本の様なキレイな二段弁当を持ってくる様なことはありえない。一般的なこちらのお弁当とスナックというのは、両手で抱えなければもてない位の大きなタッパーウェア(しかも深さもなかなかある)に、サンドイッチとスナック(バナナだったり、サラダだったり、ポテトチップスだったり、何でもオーケー)を入れて持ってくるのだ。つまり、その大きなタッパーを入れられるカバンというのは、こちらの小学生が持っている様な大きな大きなリュックタイプのカバンということになる。要するに、カバンの中身は「弁当だけー!」というのが普通なのだ。時には、熱くなって脱いだジャケットも、押し込んでおけるし、もちろん、作った作品なども、ガシャガシャと入れて持ち帰って来るのだが、基本は「でかい弁当箱を入れるために、でかいカバンを持ってくる」ということらしい。

 次に疑問に思ったのは筆記用具だ。教科書が無いというのは聞いていたが、筆箱は持たせたら良いのかしら?鉛筆はやはり2Bかしら?と色々と気をもんでいたのだが、先生は必要ないとおっしゃるし、どうやってるんかいな、と思っていたところ、しばらくして、子供たちが、色々なものをポロポロと持ち帰って来ているのに気がついた。時には色鉛筆だったり、サインペンだったり、ものさしもあれば、図書館で借りた本を入れる布袋だったり、そういうのにも、名前がついていたりするので、あぁ、これはうちの子が使って良いのね、ということはわかるのだが、どうしたもんかなと思っていたら、カオルが教えてくれた。

 学校で使うもの、鉛筆、ノート、フォルダ、ものさし、サインペンなど、全て学校から支給されるものらしい。もちろん、無くなったりしたら、次々と補充してもらえる。確か、本当に微々たる金額ではあったが、入学した時に支払ったお金が教材費だったのかもしれない。にしても、日本だったら、キャラクターのついたものは禁止です、とか、これとこれを準備してください、とか、色々と細かい注意があって、面倒だなと思っていたのだが、こちらでは、全く気を使うことがない。おまけに、学年末には、子供たちは、使っていた筆記用具、ノート、フォルダの類を、一式持ち帰って来た。新学年になると、また、新しいものを使えるらしい。

 つまり、子供たちには基本的に「忘れ物」というのがない。だから、忘れ物チェックシートなんてあるわけもないし、親が持っていくべきかどうか、という論争だってあるわけない。日本では懇談会の度に、先生のお話の中の何パーセントかは占めるであろう「忘れ物への警告」なんてのもない。

 もちろん、期日までに持ってくる様に言われるものもある。それは、何かのイベントの参加の返事だったり、備品の支払いだったり、そういうものを忘れる子達はいる。でも、その時は先生が、子供に「明日持ってきてね」と言ったり、毎日、ママさん達がお迎えに行ったりするので、その時に先生が、明日、持たせてね、とか、その場で確認をとって終わり、ということもある。

 日本に居た時は、帰宅した子供たちが毎日の様に言う、「今日、算数のノート忘れた」などという話に、ガックリきたり、血圧上げたりしていたものだが、今は、もうオーライ、オーライ、という感じだ。

 そして、その大きなカバンの中には、もう一つ、忘れてはならないものが入っている。それは、オーストラリアの小学校での、唯一の宿題「リーダーブック」が入っているのだ。

Posted by akemi at 2002年12月19日 18:42

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