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1998年02月10日

ママは先生

 「学校の先生」って一種特殊な職業だよなぁ、と思い始めて怒り噴出、 ちょっと何とかならんやろか、と考えると夜も寝られなくなった。

このハタチそこそこで「先生」と呼ばれてしまう職業を、もっとプロ意識のあるものにしてもらえないだろうか。と、あれやこれやの方法論を考えていた。一般企業に数年勤めることを採用条件に加えればいいのではないかとか、父兄が毎日順番に参観して授業内容をチェックするとか、年に一度、知識等が陳腐化していないかテストしてみるとか、ものすごく精巧な心理テストを課して、偏りがないか調べる必要があるのではないか、いやいや、この際だから、思想チェックも必要かも......、とどんどんアブノーマルな発想が出てきてしまう。

 大学を卒業してすぐに教師になる人が大多数だろう。

 ハタチそこそこで「先生」と呼ばれてしまうのは仕方がないかもしれない。

 だけど、教室の中は完全なる密室だ。

 「先生」と呼ばれる人が、すべてのルールブックになるのだ。

 機嫌が悪い時にどなり散らそうが、 気に入らない子供を殴りつけようが、

 自分の説明が悪くて子供が理解できない時に、「何も聞いてなかったお前が悪い」と子供のせいにしようが、

 誰のおとがめを受けるワケでもない。

 子供同士のトラブルには常に裁判官として君臨し、

 そのくせ自分自身は公明正大とは言い難い。

 問題のあるクラスと批判されれば、「子供が悪い」と思い、

 反対に、「いいクラスだね」と言われれば、全て自分の手柄だと思う。

 あぁ、そんな先生になんて、子供を任せられない。自分自身は、誰のチェックも受けないことを知っていて、子供の行動を逐一チェックする調査官となり、検事となり、裁判官となる。 そして子供には弁護士がいない。あぁ、センセイって職業は最低かもしれない。

 とここまで憤りが込み上げたところで、ハタッと頭に浮かんだことがあった。それを知って、鳥肌が立つ程ガクゼンとしてしまった。

 これって、「ママ」という職業そのまんまやんか。

 子供を生んだ瞬間から、「ママ」と呼ばれ、

 自分自身、母親としての資質を問われることもなく、

 もちろん、チェックを受けることなどなく、

 常に子供の行動をチェックして、裁判官となる。

 子供の気に入らない行動を見ると、「誰に似たんや」と思い、

 のびのび育てば、「私がうまいこと育てた」と思い上がる。

 ちょっと機嫌が悪くて子供に当たったりしても、

 密室の中の行動は誰にも知られない。

 子供の言い訳の方が正論だったとしても、「だめなものはダメ!」と無理を通す。

 あぁ、コワイ。本当にこわいのだ。

 先生の中にも徹底したプロ意識を持つ素晴らしい方も数多くいる。

 母親の中にも、芸術的なまでの子育てを実践している方もたくさんいる。

 しかし

 私は、仕事をしている時の様な厳しさで、自分を律しているだろうか。

 自分が裁判官であるということを理解しているだろうか。

 子供の言い訳をちゃんときいてあげているだろうか。

 私は、

 自分自身の24時間を  世界中の誰に見られても恥ずかしくない生き方で送っているだろうか。

 子供にとって屈辱的な、後々にまでトラウマとして傷を残してしまうようなとんでもない一瞬を与えてはいないだろうか。

  私は、

 学校の先生を批判できる立場にいない。

 ママだって、先生みたいなものやんか。

Posted by akemi at 1998年02月10日 18:42

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