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1997年01月22日

讃岐うどん

 うちのダンナは香川県丸亀市の出身だ。

いわゆる讃岐の人で、うどんにはこだわる方だった。韓国に住んでいた時も韓国料理を好んで食べていて、特に日本食レストランに出かける頻度が多くもなく、それなりに韓国の食文化に浸って生活していたのだが、「うどん」だけは帰省の折にどっちゃりと購入して、ソウルに持ち帰っていた。

 実は「うどん」というのは、あわや「別居」もしくは「離婚」にまで発展しそうな位の夫婦喧嘩になったことのあるネタで、今でこそ私が折れる形で一息ついてはいるものの、「美々卯のうどんすき」などの話を持ち出せば、いつでも「ゴングは鳴った」状態に陥ってしまうので避けているところだ。

 ニいうのは大阪人の私は「大阪のおうどんはめっちゃ美味しい。東京のあの真っ黒のおうどんなんて食べた気せぇへん」を常識としており、讃岐のダンナは、「うどんの本場の讃岐人に向かって、大阪のうどんの方がうまいなんて、アホらしいて聞いてられへん。比べる事自体がオカシイわ。」てなもんである。ここで、「何言うてんの、 大阪のおうどん食べた事あるの? 美々卯のうどんすき食べたらぶっとぶで。」などと言い出すと、もう泥沼と化してしまう。

 「アホか。讃岐の人間に何言わす。讃岐のうどんはな、うどん自体が旨いから醤油だけでも食べられるねん。ぶっかけうどん言うて、それが通の食べ方や」

 「ゲッ、醤油ぶっかけて食べるなんて、なんて色気のない事を....。大阪のほんのり甘手のダシ飲んでみた事あるのん?」

 どうやら、讃岐人のダンナはうどんの「麺」のことを、大阪人の私はおうどんの 「ダシ」の事を中心に話を展開している様だ。誰も讃岐うどんの麺がまずいとは言っていない。大阪のおうどんのダシは秀逸だと言っているだけだ。

 やっと事の本質が見え、離婚にも別居にも至らずめでたしめでたしなのだが、ここだけの話、私は讃岐でざるうどんを食べる時、大盛り×2(つまり4玉)でも軽く食べることができるのだが、大阪で大盛りを頼んだ事すらない。それを2杯食べるなど思いも寄らない。つまり讃岐のうどんは本当に美味しいのだ。しかし、ダシについては大阪の方が美味しいと今でも思う。しかし、讃岐でうどんを食べる時、私は必ず、「ざるうどん」を食べる。ダシの味は全く気にならずにズズズ〜と食べる事ができるのだ。今回帰省した時にも、どっちゃり讃岐うどんを購入してきた。それも底をつき かけている。

 この話には後日談がある。韓国の方の接待に、と私が推薦した東京の美々卯で、うちのダンナはものすごく感激していた。「ダシが旨い!」と言って、最後の最後までダシをすすっていた。実はこの時私は、「大阪の美々卯の方が美味しい様な気がする」と思っていたのだが、感激しているダンナには言えなかった。先日、実家の母と話をしていた時、「美々卯って言っても、お店によって味は違うわよ」という事を言っていたので、やっぱり東京美々卯より大阪の美々卯の方が美味しいのだろうと、私は思った。

 ところで、この讃岐うどん、やはりグルメの子供達には評判が良く、丸亀に帰省した時には、二人ともバクバクとわき目もふらず食べていた。折角注文した「大盛りのざるうどん」は全てカオルとタカシの胃袋に収まってしまい、私の口にはほとんど入らず、私はかやくご飯と天ぷらを食べるしかなかった。

Posted by akemi at 1997年01月22日 18:42

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