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1996年05月31日

結局、眼科へ行くことに

カオルが目をパチパチする様になって1週間がたった。

チックかも知れないと思いながらも、テレビを見る時に限って頻繁にするので、目が悪くなったのかな、とか何となく目が気持ち悪いのではないかな、と思う様になっていた。この前、ジャスコの相談員さんに、「心理判定員」に見てもらってもいいし、と言われたが、それだけはどうしても避けたかったのだ。

私は心理学を専攻していた事もあって、「家庭裁判所の調査官」が第一志望だった事がある。結果的には試験に落ちたのだが、それ以前にやる気が失せて、一気に勉強が手につかなくなった事件があった。

それは心理職を目指していた夏休みA勉強に身が入らず、実際の調査官の人の話を聞いて、自分のやる気を喚起させようと意気込み、調査官の方に面談を申し込んだ事があった。大阪の家裁に出掛けていき、アポをとった時間にその人の部屋を訪れた。そして、その調査官の女性の目を見た途端、もう調査官はやめようと思ったのだ。あの全てを見透かそうとする鋭い目。貴方の考えている事なんて全てお見通しです。私の目の前にいる人は全て患者さんであり、被験者です、とでも言いそうな冷たい目だったのだ。言葉は柔らかく、表情は常に柔和であったにもかかわらず、その目だけは最後まで笑わなかったのだ。私は何とも言えない不快感を覚えて、「これは私の目指す職業ではない」と実感した。私の様な甘ちゃんでは決してつとまる仕事ではないのだ。

ところで、こんな私でも敏感に感じとる心理職の人の表情を、もっと感受性の強いカオルが見抜けないワケがない。「あいうえお」などの歌を歌っている時に、時々「この字は何かな?」とカオルを試す様な事を言った途端、彼女はすっかり白けた表情をして相手にもしてくれなくなる。そんなカオルが心理判定員の意図を見抜けないワケがないのだ。そして、ママがカオルを試す様な場に連れていった事に対してショックを受けるのは必至だ。私には彼女のパチパチよりも、その心理的ショックの方が大きい様な気がした。そして、眼科に行く決心をしたのだ。目に異常がなければ心理的なものだろう。それであれば心理判定員のところに行くまでもなく、私がもっとじっくりカオルとつき合っていく事を考えればいいのだ。

その結果、カオルは少しアレルギーがあることがわかった。目薬を注してもらって、彼女はすっきりした様だった。その眼科の先生は下町チャキチャキ江戸っ子おじぃちゃん先生で、カオルは一気に気に入ったらしく、全く泣きもせず看護婦さんたちの注目を一身に受けて嬉しそうだった。とりあえず眼科に行っておいて本当によかった。

 

Posted by akemi at 1996年05月31日 21:43

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